師匠の店舗は喫茶レストランと言える店舗でした。
40席で厨房にコック2人とオーナー、フロア2人とレジ1人で運営していました、当時はファミリーレストランなどは余り無かったので、レストランと喫茶店の中間位の役割持つ店も珍しくはありませんでした。
手間の掛かるシチュー類やウイスキー等のお酒も出しており、シェイカーの振り方を含めカクテルの基礎も修行時代に身に付けたものです、師匠には多く学びましたがやはり人を差配するオーナーより、ゆっくりとお客様と触れ合える喫茶店のマスターの方が性に合うと思い今の「ラ・ストラーダ」になったのだと思います。
マスターの思い出

寸胴鍋に大きなネルドリップ用の布フィルターをセットし抽出するのですがコーヒーに極少量の微粉末が混じってしまうのが悩みでした。味が変わらない用に工夫していたのですがどうしても納得出来ていない師匠に、「布フィルターに紙フィルターを重ねて二重にしてはいけないのか?」と尋ねると「それでは抽出速度が変わり味も変わる。」と言われたので「それ用にコーヒー自体を調整しては?」と意見を出せば一言「ああ」と言い焙煎屋と話し新しいブレンドを作ってしまいました。こだわりが強く妥協しない人でしたが、目標のためにあっさりブレンドを作り直す軽やかさは見習うべき姿だと今も思います。
