当時のお店では夏場には大きな寸胴鍋でアイスコーヒーを仕込むのが日課でした。
寸胴鍋に大きなネルドリップ用の布フィルターをセットし抽出するのですがコーヒーに極少量の微粉末が混じってしまうのが悩みでした。味が変わらない用に工夫していたのですがどうしても納得出来ていない師匠に、「布フィルターに紙フィルターを重ねて二重にしてはいけないのか?」と尋ねると「それでは抽出速度が変わり味も変わる。」と言われたので「それ用にコーヒー自体を調整しては?」と意見を出せば一言「ああ」と言い焙煎屋と話し新しいブレンドを作ってしまいました。こだわりが強く妥協しない人でしたが、目標のためにあっさりブレンドを作り直す軽やかさは見習うべき姿だと今も思います。